第4話 クリームソーダの思い出(解説)
小説「シンダンシ!」第4話の解説です。小説はこちら。
僕:第4話は「クリームソーダの思い出」でした。針宮さんは妄想の中でおいしいものでも食べていたんですか。
針宮さん:そんなことありません。
僕:でも口のまわりぬぐってましたよね。
針宮さん:してません。
僕:今回は商店街の空き店舗を紹介されました。
針宮さん:居抜き物件というやつですね。
僕:なんですか、それ。
針宮さん:もとのお店のままってことです。賃貸物件では、原状回復といって設備や内装を撤去して借りる前の状態で返さないといけないなんて場合があります。
でも、居抜き物件というのは原状回復なしの分、もとのお店が使っていた設備を使えるから安く開業できます。出て行くときも元に戻さなくていいから楽ですね。
僕:そういうのを居抜きって言うんですね。ちょっと武術の言葉っぽいと思ったけど、ぜんぜんちがった。
針宮さん:飲食店の開業にかかるお金は300万円と言われたり600万円と言われたりします。高額です。
僕:ですよねえ。自分がお店を出すことになるなんて思わなかった。
針宮さん:それで補助金とか助成金が重要になってくるんです。お店がうまくいけば経済が活性化されますし、ゆくゆくは税収だって増えます。
でも、お店を出そうという人みんなが、どうやってお店をはじめたらいいかとか、助成金や補助金のことにくわしいなんてことはありません。
そこで中小企業診断士の出番となるわけです。(にっこり)
僕:でた、営業用のにっこりスマイル。
針宮さん:べつに営業用ではありません。
僕:今回の話で、喫茶店に後継ぎがいなくてつぶれちゃうっていうの、寂しいものがありますね。
針宮さん:タピオカ屋さんのおうちは後継ぎがいて安泰ですけれど、今後127万ものお店や中小企業が後継者がいなくて廃業に追い込まれると計算されています。
僕:めちゃくちゃ多いんですね。そういえば、子供の頃好きだったお蕎麦屋さんが、いつのまにか廃業しちゃってました。カレー南蛮好きだったんですけどねえ。残念だなあ。
針宮さん:そうなんです。そのお店の味や企業の技術がどんどん失われていってしまうことになります。大きな損失ですよね。
それで、家族ではなくても継ぎたいという人がいたら後継者になってもらったらいいじゃない、ということで、中小企業診断士の使命として事業継続に取り組んでいたりします。
針宮さん:残念です。(じゅるり)
僕:(やっぱり口をぬぐった)
つぎは小説の第5話「ネーミング・センス」読んでくださいね。